8章

9/11

23658人が本棚に入れています
本棚に追加
/549ページ
音を立てながら長い長いキスが続く。 それだけでも意識が飛びそう。 蓮のきれいな指先はバスローブの紐をほどく。 そこからはもう頭の中が真っ白になりそうで、蓮を見失わないよう必死で追い掛けた。 「美優愛してる」 何度も何度も甘く囁く蓮の声は私の心を熱くし、体全身を火照らす。 「………ンッ」 部屋中に私の声が響く。 「い……や」 「いやじゃないよね」 悪戯っぽく口元を上げる蓮は余裕たっぷりなのか微笑む。 でも額に汗が滲んでいて、私を愛してくれてるんだって思うほどそれは愛しく、蓮の頬に手を伸ばして触れた。 「蓮……」 優しいキスを一つ落とされ…… 「……ンッ」 シーツにシワができるぐらい握る手に力が入る。 「蓮……もう……だめ……」 私は意識がなくなる寸前にきていた。 もうほんとに限界で。 「美優愛してる」 「私……も……」 私達はお互い無我夢中で果てていった。 汗ばむ体がゆっくりと冷めていく。 腕枕の上で私は今、蓮の心臓の音を聞いていた。 心拍が激しく動くのが耳から伝わる。それは私も一緒で同じ音。 私、蓮と……まだ赤い顔がさっきの行為を思い出すとまた熱くなる。 隣の蓮を見ると天井を見つめていて、私の視線に気付いた。 「まだしたいの?」 あーもう、せっかく余韻に慕っていたのに。 「れ、蓮!?」 私の両手首は頭の上で捕まれていて、 「もう一回しよ」 「無理、無理」 首をブンブン横に振ったのに蓮の片方の手に寄って顎を掴まれ前に向かされて、 「ンッ」 唇が重なり…… 蓮は朝まで何度も何度も私を抱いたのだった。
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23658人が本棚に入れています
本棚に追加