9章

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お盆休みが終わり今日から会社は通常に戻った。 私は昨日の午前中自宅に戻り、留守にしていた部屋を掃除したりと忙しく過ごし、夜はぐっすりと爆睡していた。 ほんとは昨日も泊まれって言われたんだけど、流石に体がね……悲鳴上げてます。 出社して更衣室で久しぶりに梨花に会う。 「梨花、真っ黒」 「美優、あんたそれで沖縄行ったの?」 「あ、日焼けしてないから?私は日焼けしても赤くなるだけで黒くならないの」 「そうだね、美優っていつもそうだった。でもそれってうらやましい」 「そうかな。梨花みたくなりたいよ」 私達は沖縄の話をして部署に向かった。 何かあった?部署の中がざわざわしている。 梨花と目を合わせてお互いに首を傾げた。 「みなさんいいですか?」 課長がみんなを呼び、声を掛け集合すると…… 私と同じくらいかな? かわいらしい女の子が課長の横に立っている。 「福岡支社から異動してきた、清水咲さんだ。今日から経理課で働いてもらうことになった。みなさんよろしくお願いします」 今頃異動なんて珍しい。 「不倫で異動?」 梨花が小さい声で耳元で言った。 「まさか」 「清水咲です。よろしくお願いします」 と、頭を下げた。 話が終わりみんなそれぞれのデスクに散らばる。 そして課長が私と梨花の所に来て、 「清水さんの面倒は井上さんにお願いしようかな」 え、私? 「私はまだ教える立場ではないです」 私は清水さんの面倒は無理だと思い課長に言った。 「歳も近そうだし、頼むよ」 「か、課長」 行ってしまった…… 「勘弁してよ」 さすがの梨花も呆れ顔だ。 「この仕事は二人以上必要ないって」 「そうだね……」 これからあんなことが起きるなんて…… 私は思ってもいなかった……
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