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「悪いけど行かないから」
「神堂部長っ!」
イライラしていたから清水の顎を捕らえ顔を近付けてやった。
「何が目的?」
柔らかく言えば顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにおどおどして
「え、あの……」
「教えてくれないかな?」
さらにギリギリまで顔を近付ければ目を合わせられずにいる。
「……神堂部長と井上さんが」
「美優に何言ったの?」
井上と聞いて、美優の名前を出してしまった。俺達のこと気付いて美優に何をした?
「教えてくれないとわかんないんだけど?」
美優のためと思い、清水の腰に手を回し引き寄せれば、目を潤ませさっき以上に顔を赤くしている。
「神堂部長と……別れるように……言いました」
やっぱりか。
美優のおかしい原因は清水か。優しい美優に漬け込んだってことか。
「お前最低な女だな」
清水が女だろうが関係ない。
そう思った俺は清水の鎖骨辺りのブラウスを掴んでいた。
「すい……ません……で……した」
「俺は何を言われても構わない。でも美優には言うな。次はただじゃすまねぇからな」
清水は体を震わせてすでに泣いていた。これだけ言えば女なら泣くだろ。
清水を離してやると物凄い勢いで逃げていった。でも次は絶対許さないからな。美優をいじめていいのは俺だけなんだから。
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