9章

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「悪いけど行かないから」 「神堂部長っ!」 イライラしていたから清水の顎を捕らえ顔を近付けてやった。 「何が目的?」 柔らかく言えば顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにおどおどして 「え、あの……」 「教えてくれないかな?」 さらにギリギリまで顔を近付ければ目を合わせられずにいる。 「……神堂部長と井上さんが」 「美優に何言ったの?」 井上と聞いて、美優の名前を出してしまった。俺達のこと気付いて美優に何をした? 「教えてくれないとわかんないんだけど?」 美優のためと思い、清水の腰に手を回し引き寄せれば、目を潤ませさっき以上に顔を赤くしている。 「神堂部長と……別れるように……言いました」 やっぱりか。 美優のおかしい原因は清水か。優しい美優に漬け込んだってことか。 「お前最低な女だな」 清水が女だろうが関係ない。 そう思った俺は清水の鎖骨辺りのブラウスを掴んでいた。 「すい……ません……で……した」 「俺は何を言われても構わない。でも美優には言うな。次はただじゃすまねぇからな」 清水は体を震わせてすでに泣いていた。これだけ言えば女なら泣くだろ。 清水を離してやると物凄い勢いで逃げていった。でも次は絶対許さないからな。美優をいじめていいのは俺だけなんだから。
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