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さっきから言葉のキャッチボールばかりで、蓮はまったくと言っていいほど私の話をわかってくれない。
別れたい、元彼とやり直す、そう何度も言ってるのに……
そして嫌な沈黙が続いていて、私はどうやったら納得してくれるのか悩んでいる。
蓮は一点を見つめ足と腕を組んで黙ったまま。
そして深いため息をして
「どうして俺を頼らない?」
「……」
「どうして一人で解決しようとする?」
蓮は私の方を向き、膝の上にあった私の両手を握った。
「俺ってそんなに頼りない?」
いつも自信たっぷりの茶色の二重は切ない瞳で、そうさせてしまったのは私。
「俺は……自分より美優が大事」
わかってるよ。蓮がどれだけ私を大事にしてくれるかなんて。だから私は別れを決めたの。私も自分より蓮が大事だから。
「ずっと一緒にいようって言ったよね」
告白された時、蓮はずっと一緒にいようって言ってくれた。きっとそれは嘘偽りなんてない。蓮の真っ直ぐな気持ち。
「一人で抱え込むなよ。美優には俺がいるだろ」
蓮の腕がスッーと伸びてきて、胸元に私を引き寄せて力強く私を抱き締めた。
こうやって蓮の胸の中にいるといつまでもこうしていたいと思ってしまう。蓮の胸は居心地良すぎて私の唯一落ち着ける居場所なんだ。
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