9章

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「取りあえず今日は抱かせてもらう」 「うわっ」 「昨日愛し合えなかったから」 またいつものお姫様抱っこ。 何度この体勢になっても慣れない。やっぱり恥ずかしい。 あれ昨日? あ…… 別室だったんだ。 『甘えていんだよ』 ふとさっきの蓮の言葉を思い出し、私は自ら蓮の首に手を回した。 「今日の美優大胆だね」 「蓮の意地悪」 満足げな蓮の顔がちょっとだけ赤かった。こうやって意地悪を言うのはきっと…… 蓮の照れ隠しなんだね。頬を赤くした蓮ってかわいい。 でもこんなこと言ったら倍になっていじめられちゃうから絶対言わないよ。 この日の夜は、もう無理という私の言葉を聞いてくれず、蓮は本能剥き出しで私は何度も何度も絶頂に達してしまった。 起きてから服に着替えようとしたら体中の赤い印に唖然としてしまい、怒っているのにまったくと言っていいほど反省しない蓮に朝からイライラして…… でも、美優ごめんね、のキスで許してしまう自分の弱さがまた腹立たしく…… そんなイライラしている私を見てククッと笑ってる蓮が 「昨日、愛し足りなかった?またベット行く?」 ってニヤけて私の顔を覗き込むから昨日のことを思い出しちゃって顔が熱い。 「一緒に住んだら毎日だけどね」 そう言った蓮が細い指先でネクタイを閉めている姿にうっとりしてしまう。 「その顔反則」 「んっ」 頭を押さえられ強引に唇を奪われる。 きっと蓮と一緒に住んだら毎日笑ったり、怒ったり楽しいんだろうね。 そんなことを頭に浮かべながら蓮のキスを受け入れ、自らまた首に手を伸ばしていた。
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