10章

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次の日、蓮のマンションへ引越しが無事終わった。 ベットは二つもいらないって言われて、私のシングルベットは処分されてしまった。 だから私の部屋があっても寝るのは一緒。これは蓮が一番強く尊重してきたことだ。 そうなることはよーくわかっていたよ。 「美優、サボってないで早く運んで」 「あ、うん」 玄関の廊下には山のように積まれた段ボール。それを二人で私の部屋に運び終わった時にはもう夕方だった。 マンションの下にあるコンビニで蕎麦を買ってきて、これが引越し蕎麦だと言って二人で食べた。 とりあえず、一段落してソファでくつろいでいた。 「約束してほしいことがある」 うん?とわたしが首を傾げると、悪戯っぽく微笑んでいる蓮と目が合った。 「な、何?」 嫌な予感。 「風呂は一緒に入ること」 はあ……やっぱり。そっちの方じゃないかって思った。 「今から入るから」 「蓮、待って。それはこの間の罰にはならないよね。私断っていんだよね?」 「美優何言ってんの。みんなセットに決まってるだろ」 はあ?セットって…… 「お風呂は聞いてないもん」 「ぐたぐた言わない。美優には拒否権ないって言ったよね」 だめだ。その美貌で見つめられたら私の意志が遠ざかる。 「よし入るよ」 「うわっ」 強引に手首を掴まれておぼつく足で脱衣場まで連れて来られた。 「脱いで」 「やだ……恥ずかしい。」 「何度も美優の体は隅々まで見てるから」 そういう問題じゃないよ。ベットの上で見られるのとこんな明るい所で見られるのではまったく違うから。 蓮に背中を見せて恥じらっていると後ろから蓮の手が回ってきた。
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