12章

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「でも私」 「しつこいと口塞ぐよ」 と言って、口元をキュッと上げた蓮は 「でも高杉に足触らせたのは許さない」 「ンッ」 強引に塞がれた唇は熱を持っていて蓮の温もりを感じる。 強引なキスから甘い甘いとろけそうなキスに変わり、私は蓮の首へ手を伸ばした。 お互いを確認するかのように求め合い、何度も角度を変えてキスをする。 「ンンッ」 息を吸うタイミングを失った私は呼吸ができず、苦しくてもがくとゆっくり蓮の唇が離れた。 おでことおでこをふっつけると 「どんなことがあっても美優を離さないから覚悟してね」 と、悪戯っぽく笑うともう一度キスを落とし、 「どこ触られたの?隠さないで言って」 「どこって言われても……」 「いいから言って」 「膝……」 私がそう言うと蓮の頭が下に下がり私の膝にキスをした。 「蓮、あのもういい……よ」 「だめ。簡単に触らす美優が悪い」 キスだけならまだしも蓮は膝からゆっくりと唇を当てて…… 「蓮……もう……無理」 と甘ったるい声を出していた。 すでにわかっていたのか蓮はいつものように私を抱えると寝室へ向かった。
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