12章

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ベットに寝かされると私の膝を心配そうに見ている。 「膝痛いなら」 「大丈夫」 「今日の美優大胆だね。そんなに俺に抱かれたい?」 だって……この二日間ずっと不安だったんだもん。 近くにいるのに近付けないもどかしさ。 だから蓮でいっぱい満たしてほしい。 「だめ?」 美優があんなに怒ったのは初めてで…… 三浦のことは言わないつもりでいたけど、まさかあの場所に美優がいたなんて、まったく気付かなかった。 でも美優に言われてよかった。きっと美優が言わなかったら、俺の中でずっと引っ掛かってたかもしれないし、美優も知っているのに黙ったままだったら、ぎくしゃくしていたかもしれない。 高杉が部屋にいて美優の足を触ったことはすんげぇ腹立つけど、手当してくれたなら……仕方がない。 でも美優を好きな高杉だからこそ、これから油断できない。 相変わらず美優は目を潤ませて、だめ?なんて言われたら理性なんてすぐぶっ飛ぶ。 「膝痛かったら言って」 コクンと頷いた美優の体からは、ボディシャンプーの香りが漂う。 同じ物を使っているのに美優が使うだけでこんなにもそそられるのか。 顎を蓮の指先に掴まれて顔を持ち上げられた。 真剣な面持ちの蓮が真っ直ぐ私を見つめている。 少し傾いた首でゆっくり私に近付き、私はそっと目を閉じた。
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