13章

2/5
前へ
/549ページ
次へ
「私……何もできないけど……蓮の隣にいることできる。ずっと傍にいるからね」 今、私が言えることはそれしかなくって。でもこれは本当に本心で。ずっと、ずっと蓮といたいと思った。 「美優……ありがとう」 蓮から離れると今度は逆に抱きつかれて 「美優温かい」 「うん」 「何があっても離さないから」 「うん」 絶対とか約束とかって保証はないけど、今ならそれは可能にできるような気がして…… これからの未来に私と蓮が描かれていたらいいなって。 そう思ったよ。 ベットの上でいろんな話をした。 蓮のお母さんは今、大人気のブランド『butterfly』の女社長らしく…… 「え?あの……あのbutterflyの!?」 しかもbutterflyは私の大好きなブランドでとにかく聞いてびっくり。 ずっと服飾関係に関わってきて数年前事業に成功したらしく…… まさかあのブランドの社長がお母さんだなんて。 ほんとに信じられない。 「私の大好きなブランドなの!何着も服持ってるんだよ」 「俺、女物とかわかんないけど。そんなに好きならうちの母さんに会ってみる?」 「え?わ、私が?」 「実は連れて来いって言われてんの」 蓮のお母さんが会いたいってそんなどうしよう。 「どうして?私のこと言ったの?」 「好きな奴いるって話は前からしてて、付き合って同棲してるって言ったら、美優に会いたいって騒いでた」 あのブランドの社長が蓮のお母さんで…… それでもって…… あ゛ー もう突然の発言でちょっとパニック。 「そんな驚くことじゃないだろ」 「だって、それって凄い話だよ」 母子家庭で蓮を育てて、そして社長になるなんて、きっと並大抵な努力じゃできないことだと思う。 「女一人で俺を育てて、社長になっちまうんだからな」 「蓮のお母さん、格好いいね」 「じゃ、今日会いに行く?」 「えっー」
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23658人が本棚に入れています
本棚に追加