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「私……何もできないけど……蓮の隣にいることできる。ずっと傍にいるからね」
今、私が言えることはそれしかなくって。でもこれは本当に本心で。ずっと、ずっと蓮といたいと思った。
「美優……ありがとう」
蓮から離れると今度は逆に抱きつかれて
「美優温かい」
「うん」
「何があっても離さないから」
「うん」
絶対とか約束とかって保証はないけど、今ならそれは可能にできるような気がして……
これからの未来に私と蓮が描かれていたらいいなって。
そう思ったよ。
ベットの上でいろんな話をした。
蓮のお母さんは今、大人気のブランド『butterfly』の女社長らしく……
「え?あの……あのbutterflyの!?」
しかもbutterflyは私の大好きなブランドでとにかく聞いてびっくり。
ずっと服飾関係に関わってきて数年前事業に成功したらしく……
まさかあのブランドの社長がお母さんだなんて。
ほんとに信じられない。
「私の大好きなブランドなの!何着も服持ってるんだよ」
「俺、女物とかわかんないけど。そんなに好きならうちの母さんに会ってみる?」
「え?わ、私が?」
「実は連れて来いって言われてんの」
蓮のお母さんが会いたいってそんなどうしよう。
「どうして?私のこと言ったの?」
「好きな奴いるって話は前からしてて、付き合って同棲してるって言ったら、美優に会いたいって騒いでた」
あのブランドの社長が蓮のお母さんで……
それでもって……
あ゛ー
もう突然の発言でちょっとパニック。
「そんな驚くことじゃないだろ」
「だって、それって凄い話だよ」
母子家庭で蓮を育てて、そして社長になるなんて、きっと並大抵な努力じゃできないことだと思う。
「女一人で俺を育てて、社長になっちまうんだからな」
「蓮のお母さん、格好いいね」
「じゃ、今日会いに行く?」
「えっー」
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