14章

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「ンンッ……」 資料室だっていうのに激しくなるキスに目眩が起きそう。 それなのに蓮は私が逃げないように頭を押さて逃がしてはくれない。 もうだめと思った時は蓮の胸を押していた。 「もう限界?」 またしても意地悪そうな顔で口元を上げて、私の首筋を蓮の細い指が線を書く。 「ヒャッ」 火照ったままの体はまだ敏感で私は甲高い声を出していた。 「美優は首筋弱いよね」 と、蓮は艶やかに微笑み、私の首筋に顔を近付けた。 「ッ」 鈍い痛みが走った時にはすでに遅く、赤い印がくっきりと付けられていた。 絶対目立つだろうと思うその場所がほんのり熱くて、頬を紅色に染めた。 「今日の予防ね」 なんて悪戯っぽく微笑む蓮に胸がキュンとしてしまう。 「蓮」 私は蓮に抱きついた。なんだろ。もう私の中の蓮が好きすぎて溢れだしている。自分でも抑えられないほど蓮が大好きで、それはもう言葉だけじゃ表せられないほどで…… 「甘えたい?」 ううんと私は首を横に振り 「蓮……好き」 回した腕に力を入れた。 「わかってる」 そう言った蓮は私を引き離すと、クシャクシャと頭を撫でて 「美優が俺を想う気持ちより俺が美優を想う気持ちの方が大きいと思うけど」 「そんなことないもん」 「じゃあ今日の夜試してみる?」 「もおー」 赤ら顔の私は頬を膨らませた。
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