14章

11/16
前へ
/549ページ
次へ
いつものように私は蓮の膝の上に座ってお風呂に入っていた。 後ろから回る蓮の腕に身を任せ、ゆったりとお湯に浸かっている。 私はどうしても聞きたくて口を開いた。 「高杉くんのこと……気付いてたの?」 「……ああ」 「いつから?」 「気付いたのは社員旅行。確信したのは美優を飲みに誘ったとき」 私ったらほんとに何にも気付かなくて…… 「あいつはいい奴だと思うよ。仕事も真面目で男気もある。でもこれは別。俺の大事なモノに手を出すなんて許さない」 「ヒャンッ……」 私のお腹回りにあった手が移動する。 そして耳元で 「今日飲みに行ったお仕置きしていい?」 耳元はくすぐったいのに蓮の手が動くからそれに反応してしまう。 「だって……蓮行ってもいい………って」 「言ったよ。でもほんとに行くなんてね。俺の気持ち考えた?相手は美優を好きな男だよ」 私もきっと……同じ状況なら絶対嫌だ。 「蓮……ごめ………んなさい……ンッ」 甘いキスで私はもうすでに体が火照っていた。 私が動くたびにお湯が跳ね、狭いお風呂場に私の挙句声が響く。 お湯の中で蓮の方へ向かされてすぐに唇が重なり、熱を持った蓮の唇の温もりが伝わる。 「ンッ」 湿度と熱気のせいなのか頭の中がぼんやりと靄がかかり、意識が朦朧とする中、蓮にしがみついた。 名残惜しそうに唇が離れると銀色の糸が張られる。 虚ろな私は小さく呼吸をして、ただ蓮の瞳を見ていた。 「美優まだ終わってないから」 私を湯船から抱えて出すとそこからはもう蓮の手によって私は成すすべもなく、快楽へと堕ちていく。 「れ……ん……」 すでにここに意識はなく…… 「アッ……」 私は絶頂を迎え果てて行った。
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23658人が本棚に入れています
本棚に追加