17章

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わがままな蓮にシャンパンを飲ませた……というより手伝ってもらって飲ませた。 こうやってSのスイッチが入って蓮は俺様になる。 今日は私が主導権を握るはずだったのに…… またしても逆転されて蓮が主導権を握ってしまった。 そしてこの状況。 ソファに倒されて、正面に美貌の蓮が含み笑いする。 やっとキスに解放されたと思いきや、呼吸を整える暇も与えてくれず…… セーターの下に蓮の手が潜り込んでいる。 「ちょっと待って」 両手で蓮の胸を押さえてこれ以上近寄らないようにしたのに…… あっという間に頭の上に両手を持っていかれて掴まれてしまった。 「なんで嫌がるの?」 「なんでって……」 「こんなに体熱くしてるんだけど」 蓮の指先が腰のラインをなぞる。 「イ……ヤッ」 「嫌じゃないよな?」 蓮の意地悪。 ほんとは嫌じゃないよ。ただ、ここは明るいし、ソファの上だし、お風呂も入ってないし。 でも私の体は蓮を求めていて、それを蓮もわかっている。 だからこうやって私を焦らしていじめている。 「蓮……お風呂に入りたいの。だめ?」 また甘い声でおねだりする美優は、もうすでに体が火照っている。少し充血させて潤ませた目で訴えられれば、俺はだめとも言えず…… 一緒に入ろうと言えば今日だけ一人で入らせてって。 結局それも許してしまって。 俺は美優にどんだけ甘いんだ。
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