17章

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「開けていい?」 「うん」 水色のリボンを丁寧にほどいて、きれいに包んである包装紙をゆっくり開けて…… 「これ……俺欲しかったんやつだ」 「ほんと?」 「よく欲しいのわかったね」 「蓮が好きなショップに行ったらね。このキーケースが目に入ってね。すぐ買っちゃった」 「すごく嬉しい」 蓮は喜んでくれてキーケースを開けたり閉めたりしている。 「気に入ってくれてよかった」 「俺もプレゼント……あるけどまだあげない」 蓮からのプレゼントあるの?でもまだあげないって……どういうことだろう? 「先に美優を食べてから」 「キャッ」 私はまたベットに逆戻り…… でも今度は違う。 私は蓮に腰を持ち上げられて、蓮がベットに寝ていて私が蓮の上にいる。 な、何この状況。 「美優が俺にキスして」 ぎゃ、逆パターンってやつ? そんなの絶対無理。 「早く」 「……」 「早くしないと泣かせるよ」 「蓮のバカ」 私は傾けた顔を蓮に近付けて自分から唇に触れた。 私の頭はすでに蓮の手によって押さえられて、逃げようにも逃げられない。 蓮の舌が唇を割って入ってきて、どこで息を吸っていいのかわからない。 「ンンッ」 押さえられていた手が耳を通って頬に当てられた。 「ハアハア」 離れた唇から糸が伸び、口を拭いた蓮がその指先を舐めた。 そんな蓮に胸がキュンとなって…… 向かい合わせのまま起き上がった二人は目を逸らすことなく…… 魅惑的な瞳に私は惹かれて自ら蓮の唇にキスをしていた。 欲情した私と蓮は夜が明けるまで抱き合い、何度も意識を飛ばして最後は堪えきれず気を失い眠ってしまっていた。
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