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「家族っていいね」
いつもの定位置にちょこんと座って、蓮とまったりお風呂に入っていた。
「俺さ。父親との思い出ないから、今日は凄く楽しかった」
蓮は自分のお父さんの顔見たことなかったんだ……
「お父さん怖くなかった?」
「最初はちょっとやばくないか?って思ったけど……美優のこと心配してのことだろ。大事な娘が見ず知らずの男と付き合ってしかも一緒に住んでるってなれば、どこの親でも警戒すると思う」
「私にはまだそういうのわかんないな」
「美優も親になったらきっとわかるよ」
自分がまだ子供みたいだからかな。親の気持ちってわかっているようで、実際わかってないのかも。
「いいお父さんとお母さんだね。裏切るようなことは絶対したくないって思った」
「うん」
「お父さん結婚式はハワイがいいって」
「ほんと気が早いよね」
「これって、俺認められたってこと?」
「うん。認められたってこと」
そう言って斜め後ろを見れば嬉しそうな顔で笑っている蓮と目が合って、
「美優をもらっていんだ?」
「うん。私は蓮にもらってもらいたいよ」
蓮の顔がゆっくり近付いて私が目を閉じれば、熱っぽい唇と重なった。一度軽いキスをして、二人の視線が絡み合うと濃厚なキスに変わっていく。
「ンッ」
摘まむように吸い付くキスに体がピクッと反応して、何度も角度を変える蓮の首に手を回した。
水しぶきが跳ねる音と私の挙句声が浴室に木霊する。
「れ……ん」
私の体はもう火照って、額に汗を滲ませながら嘆声を漏らす。
「もう我慢できない?」
妖艶な微笑みで見つめられれば、私の意思など関係なく体は素直で……頷く私に、
「一つになろうっか」
と口元を上げて私を抱えて浴室を出れば、真っ直ぐ向かう場所は寝室で……
まだ湿っている私の体をベットに沈ませ蓮が覆い被さった。
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