19章

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睡眠をたっぷりとったお陰で早く目が覚めた。昨日と違って体もだるくないし、すっきりしている。 隣に眠る蓮を起こさないようにそっと布団から出て足をフローリングに着地させ、忍び足で静かにドアノブを回した。 「何作ろうかな」 冷蔵庫を開けると、ひやっとした空気が流れて身が縮まる。 「あ、玉子あった」 玉子のパックを取ろうと手を伸ばした。 「うっ」 突然、今まで経験したことのない胸のむかつきが襲ってきて、私は口を押さえてトイレに走った。 吐きたいのに吐き出せない…… 自分で胸を擦りながら、ふと頭の中にある言葉が過った。みるみるうちに顔が蒼白になっていく。 「私……生理……きてない」 最後にきたのは…… 慌てて手を出して、2月、3月……今月……指を曲げて計算すると…… 3ヶ月もきていないことに気付いた…… 咄嗟に下腹部に触れる。 私……妊娠してる……かも……しれない。 私は身の毛が立つような思いで呆然と立ち竦む。 「嘘……ただ体調が悪いだけだもん」 でも熱もないのに昨日の体のだるさ。そして生理がきていないのは紛れもなく事実。 「どうしよう……」 涙がポタポタと溢れてくる。 蓮に言って困られたら…… 喜んでくれなかったら…… 言えない。蓮には言えない。 蓮に迷惑を掛けたくない。 ただそれだけしか今は思えなかった。
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