19章

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「心配してくれてるのに……ごめんなさい」 怒ってくれればいいのに蓮は優しく私を覗きながらゆっくりと喋って…… そしてギュッと私の手を握ってくれて、 「美優……生理きてないよね?」 え…… 驚いた私は蓮の顔を見た。 「どうして……知ってるの?」 「熱もないのにだるいってもしかしたら生理きてないんじゃないかって。よく考えたら最近美優から生理だって聞いてないって思って……」 涙がスッーと頬を伝う。 「美優はいつ気付いた?」 「朝……ご飯支度しようと思って……そして……冷蔵庫開けたら……」 言葉が詰まって声にならない。 「もうわかったよ、泣かなくていいから」 蓮は背中に手を回して私を胸に引き寄せた。 「ごめん……俺が全部悪い」 「違う。蓮は悪くない」 これは蓮だけのせいじゃない。だから自分を責めないで…… 「もし……お腹に俺達の赤ちゃんがいたら……」 私は不安な気持ちを胸に顔を上げた。 だってもし産むなって言われたら…… 「絶対産んでほしい」 「私……産んで……いいの?迷惑じゃ……ないの?」 私は泣きながら蓮の腕を掴んだ。 だって、拒否されたらどうしようって、ずっとそればかり考えてたから…… 「俺達の子供だよ。迷惑だなんてどうしてそう考える?」 「だって結婚してないし……蓮だってまだ結婚考えていないよね……それなのに……」 「今どき子供できて結婚なんて珍しくないよね?その前になんで朝気付いてすぐ俺に言わない?そんなに俺って頼りない?」 蓮の眉がだんだん下がって悲しそうな顔になっていった。
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