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「病院行こう」
「……うん」
どうしてか凄く緊張しちゃう。
もし赤ちゃんがいなかったら……
蓮はきっとがっかりする。
そんなことばかり考えてしまって……
やっぱり病院は行きたくないって言ってしまいそうで。
「また具合悪くなった？」
笑顔になれない私に気を遣って蓮が心配そうに見ていて、それがいたたまれなくて……
「ううん。大丈夫。行こう病院」
目一杯の笑顔で答えても蓮には私のことなんてお見通しで、
「妊娠してもしてなくても、俺はどっちでもいいんだよ。美優さえ元気でいてくれたらそれでいい。赤ちゃんは結婚してからだってできるよ」
「もし……もしだよ。私が妊娠していなかったら……蓮……やっぱりショックだよね」
少しだけ間を置いた蓮は
「赤ちゃんがいたら嬉しいけど……もし違っても神様が今じゃないんだよって言ってくれてんだよ。だからショックとかはないから。まずは病院行こう」
「でも……」
「またそうやって考える。ほら病院行くよ」
「……うん」
大きな掌で強く握る手は、俺が傍にいるよって言ってくれてるような気がして。
だから私も強く握り返すと口元を上げた蓮が笑ってくれて、曇っていた心をスッーと明るくしてくれた。
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