プロローグ

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窓際に座る神堂部長をパソコンの画面横から眺めていた。 身長180cm以上あるのかな‥‥‥モデルみたいな体型で足が長い。 25歳になんて見えないぐらい凄く若くて、今風のワックスで整えた髪にブラウンの髪の毛。 何等身あるのか小さい顔に形の良い薄い唇。 二重のその目は鋭くてあの目で睨まれると絶対に嫌と言えなくなる。 きっと女の子を泣かせているだろうと思われるその美貌はまさしく世間で言うイケメンで。 でも私にとっては嫌な人。と、言っても嫌なことをされている訳じゃないけど苦手な人になっている。 格好いいけど‥‥‥私には凄く冷たいし‥‥‥ 社内一イケメンだろうけど私は好きにならない。 隣に座る梨花がまたもニヤけて笑みを浮かべ、私に話し掛けてきた。 「気になるの?」 ちょっと桐谷課長を見ていただけで気になるなんて‥‥‥ 「みんなにモテるのはわかるけど‥‥‥あの冷たい性格は‥‥‥私にはちょっと無理かな」 突然、身を乗り出した梨花は、 「私は神堂部長、どストライク」 ふーん。梨花はあーいう人がタイプなんだ‥‥‥ 「神堂部長が梨花のね‥‥‥」 キーボードを打つ手を止めてまた窓際に目を向けた。 「そろそろ美優も彼氏作ったら?」 彼氏か‥‥‥ 凌太と別れてどのくらい経っただろう。 目を瞑ると今でも凌太の笑い顔が瞼の裏に浮かぶ。
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