24章

11/11
前へ
/549ページ
次へ
桐谷課長との出来事から二週間が経って…… 私はそのまま変わらず桐谷課長の部下として働いている。 始めは少し抵抗があったけど……桐谷課長が普通に接してくれるから私も今まで通り接している。 そしてあの日の夜は…… 蓮が言った通りたっぷりお仕置きされてしまって。 朝まで私は蓮の思うままにあんなこともこんなこともされて…… 思い出しただけで恥ずかしくて顔が赤くなっちゃう。 「井上さん、妄想なら帰ってからやってくれよ」 蓮ったら……フフッ、私のこと何度も愛してるって…… 「井上さん」 蓮の甘い囁きが頭から離れない。 「井上さん」 「えっ、あ、はい」 「俺の話聞いてたか?」 桐谷課長に話し掛けられてたみたいだけど……ぜんぜん聞いてなかった。 「すいません……あの……聞いてませんでした……」 「その妄想癖なんとかならないのか?」 「あ……はい。すいません」 窓際の蓮をちらっと見ればプリントを見てるけど肩を小刻みに揺らしてククッと笑ってる。 そして追い討ちを掛けるように桐谷課長が、 「どうせいやらしいことでも考えてたんだろう?」 見事的中で私の顔が真っ赤になって頬が熱くなる。 「ち、ち、違いますよ」 あたふたしている私を桐谷課長は大笑いして、違うと否定したのにどうやら自爆したようで…… 「まっ、そこが井上さんのかわいいところだよな」 って、私の頭をポンポンと叩いて微笑む桐谷課長は飛びっきりの笑顔でとても眩しい。 「おお、あいつ反応してるよ」 と、桐谷課長は蓮に視線を向けて、私も蓮を見ると…… 桐谷課長を睨む蓮がいて、 「お前らからかうとおもしろいな」 あっ、もしかしてわざと頭を撫でて蓮の反応を桐谷課長は見てた? 蓮と桐谷課長はあれから会話をするようになって私は胸を撫で下ろしていた。 昔は仲良かったって蓮が言ってたから…… だから二人が一緒にいるとなんだか私も嬉しくて。 いろいろあったけど、桐谷課長と蓮が少しずつ距離が縮まっているからこれで良かったんだなって……私は思ってるよ。
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23659人が本棚に入れています
本棚に追加