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あれ……
ここどこだっけ?
「あっ!」
私、部屋を片付けてて……そして読み掛けの雑誌を読んでたっけ……寝ちゃったんだ。
蓮もう仕事終わったのかな……
「なんか足が重いんだけど……」
起きようと思った私は足の重みに気が付いた。
「うわっ」
なんで蓮が隣で寝てるの?
あ……暖かいと思ったらコート掛けてくれてる。でも蓮には掛かってない。掛かっているのは私だけ。
私はそのコートを蓮に掛けた。
いつものように腕枕までしてくれてて。
私は起上がるのをやめて、隣に眠る蓮のきれいな顔立ちを眺めていた。
睫毛長いな。きっと私より長いよね。
見れば見るほど私にはもったいない人に思えてくる。
私は無意識に蓮の頬に触れていた。
意地悪で俺様でたまに我がままの所もあるけど、ほんとは優しくていつも私のことを大切にしてくれる。
今だってそう。コートを掛けてくれて腕枕もしてくれて……
蓮の寝顔を見てるだけでも激しく胸が騒いでドキドキするの。
毎日が淡い恋をした中学生みたいに。
私は蓮には満たされてるけど蓮は満たされているのかな?
たくさん幸せをもらってるけど私は蓮に幸せをあげてるのかな?
「なんで泣きそうな顔をしてるの?」
突然目を開けた蓮に驚いて、触れていた手を避けるとその手はすぐ捕まえられて……
「どうしたの?」
ううんって言っても蓮には通用しない。
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