25章

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外は青空から夕焼けに変わっていて、長い時間私達は眠っていたらしく…… 甘い甘い溶けるようなキスをもらった私は体を火照らせたまま蓮の胸でうっとりしていた。 グゥー 余韻に浸る中、私の意思など関係なく空腹のお腹が音を鳴らした。 「ククッ」 すぐ横にいる蓮がお腹の音に反応して笑っている。 「ご飯食べに行こうか?」 蓮は体を起こすと私の手を引っ張って、 「美優は何食べたい?」 と、私の体を起こしくれて……今食べたい物を考えてみる。 「う……ん」 「蓮は何食べたい?」 首を傾げながら口をへの字にした蓮が…… 「俺は……美優食べたい!」 「キャッ」 起き上がっていた体がまたフローリングに逆戻りして私の上に覆い被さった蓮が悪戯っぽく笑っている。 「ご飯食べに行くんでしょ」 「ご飯食べる前に美優を食べる」 「もお、そんな冗談言わないでご飯食べに行こうよ」 「やだ」 「やだじゃないの」 わがまま蓮が起動し出して駄々っ子になっている。 「私お腹空いてるんだから、ほら早く」 「美優ここ弱いよね」 と、蓮は首筋を長い指でスッーとなぞると首筋に顔を埋めて、 「ヒャッ」 ぺろんと生温かい感触が私の首筋を舐める。 「だめ、そこはくすぐったい」 蓮の胸を押しても私の力じゃ押し倒すこともできなくて、足をバタバタさせて抵抗すれば、 「今はくすぐったくてもすぐ気持ち良くなる」 私の体をすべてを知り尽くした蓮は弱い部分を攻めてくる。 「だめっ!」 私の大きな声で蓮の体がピタッと止まって、その隙に私は横からすり抜ける。 這って入り口まで逃げれば、ニヤリと笑っている蓮が背後に立っていた。
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