25章

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「これ全部康介さんが?」 「そうだよ。ちょっとは見直した?」 「見直したなんて凄いです」 だって色とりどりの野菜を使った、パスタにドリア、ドルチェにピザに……こんなにたくさんの料理を作ってしまうなんて。 「ま、一応プロですから」 腕を組んだ康介さんはへへっと笑って、さあ、どうぞと掌を見せた。 「食べていいよ」 と蓮に言われたけど……どれから食べていいのか目移りしてしまう。 迷った私は横目で康介さんを見ると、 「うん?」 と、首を傾げた。 「あの……」 「美優ちゃんどうした?」 「いっぱいありすぎて迷います」 「蓮になんて食べさせなくていいから美優ちゃんがぜーんぶ食べていんだよ」 と、康介さんが言うと目を細くして蓮が康介さんを睨む。 「も、もちろん蓮も食べてくれよ」 ははっと、康介さんは笑って誤魔化し惚けた顔でそっぽを向けば、蓮はすでにフォークを持って食べ始めていた。 私は一番最初にドリアに手を付ける。 な、何、この濃厚な味。口の中でとろけるまろやかなホワイトソース。 「お、おいひいです。とってもおいひいです!」 ドリアの熱さでうまくしゃべれず口籠もる。 「美優、熱いならちゃんと冷まして食べないと火傷する」 「蓮……お前ってお母さんみたいだな」 「美優は子供だからね」 あ、また私を子供扱いしてる。 「もお、康介さんの前で言わないでよ」 頬を膨らませて言っても蓮は食事に夢中。康介さんは私たちを見てクスクス笑っている。 「美優ちゃんが蓮を嫌になったらいつでも俺の所に来ていいからね」 「康介、あんまり美優を甘やかさないで」 「うわっ厳しい、それ保護者だよ、保護者」 蓮はもうそれ以上突っ込まず、次から次と物凄い勢いで口へ運んでいた。
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