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康介さんから甘いデザートを頂いて、すっかりご機嫌が良くなった私は、頬をゆるゆるにしてこのおいしさに浸っていた。
「康介さん、ほんとにおいしいです」
ここに来て何度おいしいと言ったか……
「美優ちゃんに満足してもらえて俺も嬉しいよ」
康介さんの優しい視線が私の視線にぶつかると、蓮が康介さんを呼んだ。
「康介」
「何?」
デザートを食べた終えた蓮が静かにスプーンをお皿に置くと、
「土日とかって店休めないの?」
「月末の日曜日を定休日にしてるんだけどなんかあった?」
「じゃ、できそうだね」
「だから何がだよ。ほんと蓮って昔から自己解決するよな」
「バスケ」
「バスケ?」
「そう。久しぶりに俺と春樹と康介でバスケやりたいなって」
目を丸くした康介さんは、
「おっ!いいね。俺もしたかったんだよ」
康介さんはその場に立ち上がってシュートの練習を始めてしまった。
手首を曲げてさもボールを持っているかのようにシュートをする。
「久しぶりだな。何年ぶりだろうな」
「張り切り過ぎて怪我だけはしないでよね」
「俺より蓮だろ」
なんか楽しそう。
私は昔の蓮達を知らないけど、二人の会話からなんとなくだけど高校生の蓮と康介さんが想像できる。
いつも女の子達の黄色声援を浴びてそうな、そんなイメージだ。
「あ、美優ちゃんはなんかスポーツしてたの?」
ギクッ……
なぜここで康介さんは私に声を掛けるのでしょうか。
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