25章

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「私……ですか?」 「うん、そう。美優ちゃん」 「笑わないで……くれますか?」 私は言いにくそうに言葉を詰まらせて戸惑っていると、 「まさか」 と蓮が真顔で言ってきて、康介さんは意味がわからないのか首を傾げている。 「私も……バスケ部でした」 「マジ?」 康介さんまでその疑いの目。 蓮は今にも吹き出しそうで手を口に当てて笑いを堪えている。 「そうやってバカにするから言いたくなかったのに」 私は目を潤ませ今にも泣きそうでいると、 「美優がいると2対2になるから楽しめそうだよね」 「そうだよ。丁度いい人数だよ。」 「ほんとに……そう思ってますか」 「「うん」」 二人は同時に頷いて。 「美優ちゃんいつからバスケしてたの?」 「……中学です」 「それならなかなかやるんじゃない?」 もお、そこまで想像膨らませないで。 「美優がバスケね……」 腕を組んで顎を掴む蓮は何やら考え事をしているようで…… 「美優はマネージャーだったの?」 「蓮ひどいよ。中学、高校ってやってたんだから」 「うん。わかったよ。6年間バスケやってたんだね」 「そうだよ。6年間やってたもん」 もお、蓮はまだ疑ってる目をしている。 「そうか……美優がね……」 なんてまだブツブツ言ってるし。 「集まった時、美優ちゃんの実力見せてもらうよ」 ここまでバカにされたら私だって黙っていられないよ。 絶対見返してやるんだから。
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