26章

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今日は都内のバスケットコートがある公園に来ていた。 空は真っ青で所々に雲が浮いてるだけ。 澄んだ空気が心地よくて私はベンチに座って空を見上げていた。 駐車場に車を止めてきた蓮が戻ってきて、私の横に足を組んで座る。 ベンチの背もたれに腕を伸ばして、またいつもの癖なのか私の毛先を触ってきた。 「美優髪伸びたね」 「うん……ちょっと邪魔になってきちゃった」 「俺は長い髪の方が好き」 長い髪が好きと言っただけなのに自分のことを言われたようでほんのり頬をピンク色に染めると、蓮が私の顔を覗き込んで、 「暑いの?」 と、蓮の指先が頬を触れる。 「あ、暑くないよ。ぜんぜん暑くない」 「ふーん」 上顎を突き出して透かした顔でニヤッと笑って、 「長い髪の美優も好き」 平然とした顔でまたもさらっと蓮は言ってしまう。 もお、そうやって心臓がドキドキすることをこんな場所でも普通に言っちゃうんだから…… 私の顔はもうすでに真っ赤で、そんな私を蓮が見てククッと笑う。 「美優はほんとわかりやすいね」 「お前らー!真っ昼間から何いちゃいちゃしてんだ!」 どこかで見ていたのか康介さんが物凄い勢いで現れ、膝に手を置いて荒い息を整えている。 「こんにちは」 私は立ち上がって挨拶をすると、 「美優ちゃん、こんにちは」 と、康介さんは私に白い歯を見せて微笑んだら、すぐ蓮に視線を移し、 「おい、蓮!神聖なるこの公共の場でお前は何をやってんだ」 「何って、別に何も」 「美優ちゃんの髪をこうやってクルクルってやってただろ」 康介さんは手でさっき蓮がやっていた仕草を真似している。 「いつものことだけど」 「い、いつもって……いやらしい奴め」 「今からそんなに騒いでたら体力持たないよ」 「っ!」 悔しそうに康介さんはブツブツと独り言を言って、 「蓮、今日は勝負だ!」 「いいよ。いつでも相手するけど」 蓮が煽るから康介さんはムキになっちゃって。 なんだか先が思いやられる。
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