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「美優いい?打てる時はシュート打っていいから」
「うん」
ポンと私の頭を叩くと、
「やるからには勝つよ」
蓮は真剣な眼差しで康介さんを見ていた。
「うん」
蓮の足を引っ張らないように頑張らなくちゃ。
康介さんチームからのボールで始まる。
「凄い……」
ブランクがあるのに何この動き……
ほんとにこの人達、何年もバスケから離れてたの?
松田さんが機敏な動きでドリブルをして蓮をすり抜けていく。
私はみんなの迫力に呆然として立ち竦んでしまった。
「美優っ」
「あ、はいっ」
蓮から正確なパスを受け取るけど、すぐに康介さんという大きな壁にぶつかり、とてもじゃないけどシュートなんて無理。
なんとか蓮にパスを……と思って蓮を探せばすぐにボールを取りにきてくれて、
シュッ
アーチを描いて吸い付くようにボールはネットを通る。
「きれいなフォーム……」
態勢を崩すことなく真っ直ぐ伸びる右腕。
太陽の下にいるせいか汗が反射して光っている。
格好いい。
自分でプレーするより今日はベンチで蓮を見ていたいかも。
「美優、ぼっとしてないで」
「う、うん」
私の実力じゃ、当然ついていくなんて所詮無理な話で、すでに炎天下のせいで体力が消耗されて体がふらつく。
私がこんな状態なのに3人はまだまだ元気で……
丁度、私のディフェンスが誰もいなくなり蓮から速攻のパスをもらい、私はゴールを狙った。
シュッ
「やったー」
蓮のきれいなシュートには敵わないけど私の打ったシュートは見事入り、両手を上げ私はガッツポーズをする。
「きれいなシュートだったよ」
蓮が褒めてくれるから嬉しくてでも恥ずかしくて照れ笑いをする。
「やっぱりマネージャーじゃなかったんだね」
「もお、信じてなかったんだー」
私が蓮の胸を叩くと両手首を捕まれ一瞬真顔になって、
「目に汗入る」
艶っぽい指先が額から流れる私の汗をそっと拭ってくれて、胸がキュンと騒ぐ。
「おいこら!また人前でいちゃつきやがって!」
「まあまあ、康介。蓮と井上さんはいつもこうなんだよ」
と、松田さんが割って入り興奮している康介さんを落ち着かせた。
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