27章

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「イタタタッ」 朝起きて体を起こし、床に足をつけて立ち上がったら…… 昨日のバスケで体全身が筋肉痛でどの姿勢になっても電気が走ったように痛い。 私の叫び声で目を覚ました蓮が目を擦りながら顔を上げた。 「朝から何騒いでんの?」 「体が……蓮は痛くない?」 「体?どこも痛くないけど」 私より何倍も何十倍も動いて筋肉痛じゃないの? 蓮がベットの横に立つ私に近寄ると、 「どこが痛い?」 って太股をスッーと撫でる。 私の体は蓮の指先で背筋がピンとなり、体が棒のように真っ直ぐになると足に力が入り、 「痛っ」 「クククッ」 痛がる私を蓮は朝からからかって楽しんでいる。 「おいで」 「うわわっ」 腕を掴まれベットに引き戻された私はあちこち痛い体に悲鳴を上げる。 「いたーい」 「そんなに痛いの?」 「痛いってもんじゃないよ」 「俺より動いてなかったのに?」 うっ、それを言われると図星で……何も言えない。 「ここは?」 蓮の舌が首筋を舐めり、体は蓮にすぐ反応する。敏感になった体はじんわりと火照りだして…… 「待って蓮」 ストップという意味で蓮の顔の前に両手を出した。 「なんで?」 「なんで?ってこれから仕事だよ。朝からこんなことしてたら遅刻しちゃう」 右側だけ口元を上げた蓮が、ベットの横にあるサイドボードの上の時計を横目で見た。 「まだたっぷり時間ある」 あ…… 私、目覚ましが鳴る前に起きたんだ。 「だめ。絶対だめ」 「だめなんて言うのは今だけだよ」 悪戯っぽく笑う蓮は朝から色っぽくて、ちょっと掠れた声が余計に私の鼓動を騒がせる。 あちこち痛いこの体で朝からなんて無理。
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