2章

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梨花に電話をして居酒屋の状況を聞きたかったけど、結局どう説明していいのかわからず、悩んでいるうちにソファで寝てしまっていた。 お陰で体のあちこちは痛いし、目は腫れてるし、最悪な一週間がスタートしてしまった。 更衣室のロッカーの鏡で顔を見ると、最低な顔で、化粧で誤魔化すことができないほどやつれている。 「帰りたい」 学生なら簡単に休めるのに社会人はそうもいかない。 重い体を起こし、やっとの思いで会社に足を踏み入れた。 経理課に行けば神堂部長がいる。 どういう顔で接しればいいのか正直、不安で不安で仕方がない。 今日一日、外出してくれることを祈るしかない。 「おっはよ」 声をした方に顔だけ向けると、私とは大違いの清々しい梨花が更衣室に入ってきた。 「梨花……」 「うわっ、ひどい顔」 「……」 「神堂部長となんかあった?」 そんな笑って言わないでよ。 「梨花、ちゃんと説明して」 「何が~?」
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