2章

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「だから、どうして神堂部長に私を預けたのよ」 「だって私デートだったんだもん」 「そんなこと一言も言ってなかったよね」 「そうだっけ?」 私と目を合わせないようにしている。 しかも完全に誤魔化している。 「それで神堂部長どうだった?」 まだ昨日のことで色鮮やかに記憶が残っていて、思い出しただけで心臓がギュッとなる。 「気付いたら……ベッドの上……だった」 「えっーー!」 これは驚いたようでほんとに目を丸くしてびっくりしている。 そりゃそうだよね。 私だってびっくりしたもん。 「それで、それで」 興味津々だね、梨花。 「あ、時間」 時計の針がもうすぐ8時半になろうとしていた。 「ちょっと、美優。まだ話し聞いてないんだけど」 「昼休みにゆっくり説教とセットで教えるよ」 私達はロッカー室を出て、経理課のドアの前まで来た。 梨花の後ろに付いて行くけど、顔を上げれなくて自分の足元を見ながら席に付いた。 変に意識をしているせいか掌がじんわり汗ばむ。 私の席の真っ正面には神堂部長のデスクがある。 顔を上げて視線を向けると、神堂部長のあの鋭い目と合ってしまった。
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