28章

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松田さんは楽しそうにしゃべっているのに、蓮は相づちを打つだけで…… 具合悪いのかもしれない。 私はポケットから携帯を出して短い文で、具合悪いの?とメールをした。 あまりジロジロ見てはいけないと思い、別な所を見るフリをして蓮を見るとメールに気付いたみたいで携帯を見ている。 メールを読んだのか顔を上げて、私を探しているようで回りを見渡していて…… 私が食券販売機の前にいるのを気付いた蓮と、一瞬だけ目が合って。 でもすぐに目を逸らされて、携帯を持つ手が止まると、数秒後に私の携帯が震えた。 私は急いで携帯の画面を見る。 『具合悪くないよ』 え……でも顔色が…… 再び蓮を見た時は松田さんと笑ってしゃべっていて…… でも青白い顔だった。 いつもの蓮を見間違うはずがない。 どうしたの蓮?何かあったの? 私は立ち止まったまま蓮からのメールを何度も読み返していた。 「美優、美優」 「あっ、うん?」 「食券早く買わないと」 「う、うん」 ポケットに携帯を戻し、適当にボタンを押す。 「美優、そば食べたかったの?」 「うん、寒いから暖かい食べ物と思って」 「ふーん」 食堂のおばさんに食券を渡してそばを受け取り、梨花の後ろについていく。 「ここいい?」 梨花が声を掛けたのは松田さんだった。 ちょっと梨花……確かに席は空いてないけど蓮だっているのに。 「どうぞ」 と空いている椅子を引いて梨花が座る。 私と蓮のこと知ってる人はいないけど…… ちょっと気が引けて、トレーを持ったまま突っ立っていたら、 「座ったら?」 と、松田さんと同様、椅子を引いてくれた。
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