29章

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「ありがとうございました」 ウフッ。買っちゃった。 気に入ったマフラーと手袋があって、絶対蓮に似合いそうだから即買いしてしまった。 私はラッピングしてもらったプレゼントを大事に胸で抱えて、イルミネーションが輝く街を後にした。 「ただいま」 ドアを開けてすぐ蓮のローファーがあるか確認したけど……まだ帰っていない。 一人寂しくリビングの電気を付ける。 蓮が『今日は晩ごはんいらない』と言ったので、私の今日の晩ごはんはコンビニ弁当。 最近はだいたい二人で夕食を食べていたから、こうして食卓テーブルの向かいに蓮がいないと寂しい。 少し冷めたお弁当に食は進まず、もったいないけど半分も食べないで残してしまった。 暖房のお陰でリビングも暖まり、ぽかぽかとしてきた所で私はお風呂に入ることにして。 洗濯機を回して浴室に入った。 「気持ちよかった」 お風呂から上がり時計を見ると21時を過ぎていた。 そろそろ蓮帰ってくるかな。 ガチャ あ!帰って来た! 玄関まで急いで走るとすでに中まで入ってきていて、 「おかえり」 「ただいま」 蓮はネクタイを緩め、スルッと首から外すとスーツの上着を脱ぎ食卓テーブルの椅子に掛けた。 疲れてるのかな…… 顔を曇らせて笑顔が見えない。 私は脱いだスーツをハンガーに掛けようと思い、上着を取ろうとしたら、 「美優……ここ座って」 と、ソファに座る蓮の横をポンポンと叩いた。 どうしてか蓮の真剣な表情に痛いほど激しく胸が騒いだ。
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