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「ありがとうございました」
ウフッ。買っちゃった。
気に入ったマフラーと手袋があって、絶対蓮に似合いそうだから即買いしてしまった。
私はラッピングしてもらったプレゼントを大事に胸で抱えて、イルミネーションが輝く街を後にした。
「ただいま」
ドアを開けてすぐ蓮のローファーがあるか確認したけど……まだ帰っていない。
一人寂しくリビングの電気を付ける。
蓮が『今日は晩ごはんいらない』と言ったので、私の今日の晩ごはんはコンビニ弁当。
最近はだいたい二人で夕食を食べていたから、こうして食卓テーブルの向かいに蓮がいないと寂しい。
少し冷めたお弁当に食は進まず、もったいないけど半分も食べないで残してしまった。
暖房のお陰でリビングも暖まり、ぽかぽかとしてきた所で私はお風呂に入ることにして。
洗濯機を回して浴室に入った。
「気持ちよかった」
お風呂から上がり時計を見ると21時を過ぎていた。
そろそろ蓮帰ってくるかな。
ガチャ
あ!帰って来た!
玄関まで急いで走るとすでに中まで入ってきていて、
「おかえり」
「ただいま」
蓮はネクタイを緩め、スルッと首から外すとスーツの上着を脱ぎ食卓テーブルの椅子に掛けた。
疲れてるのかな……
顔を曇らせて笑顔が見えない。
私は脱いだスーツをハンガーに掛けようと思い、上着を取ろうとしたら、
「美優……ここ座って」
と、ソファに座る蓮の横をポンポンと叩いた。
どうしてか蓮の真剣な表情に痛いほど激しく胸が騒いだ。
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