2章

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昼休み、社員食堂で長々と梨花にあの夜のことを話していた。 「一晩一緒にいて何もないってそれおかしくない?」 「え?どうして?」 「だって男と女だよ」 「いやいや、あったら困るから」 梨花は眉間にしわを寄せ、何度も首を傾げている。 「で、キス寸前で止められたんだ」 「うん……」 今となってはキスしなくてよかった。だってそんなことあったら絶対会社に来れないし、顔も見られない。 だからあれでよかった。 からかわれてよかったんだ。 ~梨花side~ 何、この展開。 あの神堂部長が美優に手を出さないなんて不思議だわ。 普段から思ってたけど、美優だけに冷たい神堂部長。 別に美優が仕事のミスをする訳でもないのに明らかに私と美優では態度が違う。 これってさ。 神堂部長が美優に意識してやってる行為? 手を出さなかったんじゃなくて、出せなかったんじゃない? ますますこの二人、目が離せないわ。 また梨花は自分の推測に微笑んでいた。
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