1章

2/29
前へ
/549ページ
次へ
元彼の凌太と何が原因で別れたのか今でもあやふやだった。 でもたぶん‥‥‥‥ 高校を卒業して私は短大。 凌太は大学。 違う道を歩み出した頃から歯車が狂いだしたんだと思う。 お互い好き同士でやっと結ばれた二人だった。 いつも一緒できっとこのまま行けば結婚するんだろうなって思っていたのに‥‥‥ 長く一緒に居すぎたのか、いるのが当たり前になってしまってお互い連絡取ることがなくなっていた。 最後はきちんと話し合って嫌いで別れた訳じゃない私と凌太。 あの別れから凌太とは一度も会っていなくて、今どこで何をしているのかわからない。 未練はもうないのに一人でいる時、ふと‥‥‥ あの頃の凌太と自分を思い出す。 「彼氏作ればって‥‥‥そんな簡単なもんじゃないよ‥‥‥」 肺いっぱいに息を吸って、口から吐く。 一人暮しの夜は私を寂しくさせていた。
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23655人が本棚に入れています
本棚に追加