3章

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どうしてそうやって、人前だと私に冷たいんだろう。 横から見える神堂部長は冷たい目で、私のことを視界に入れてくれない。 そんな神堂部長の態度に腹が立ち、私は神堂部長のビールをテーブルから奪い取り、まだほとんど飲んでいないビールをがぶ飲みした。 「ふぅ」 「お前何やってんだよ」 神堂部長が慌てて、私の手からジョッキーを取ろうとしたけど、すでに遅しで…… その時、やっと私達は目が合った。 神堂部長は呆れたような顔をしているのに胸がギュッと縮小してしまう。 あ、私。 神堂部長にかまってもらいたかったんだ…… さすがに一気に二杯も飲めば目は虚ろで、顔は真っ赤。 神堂部長の柑橘の香水がふわっと鼻を擽り、心地よい気分になっていた。
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