4章

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やばい。 無意識なんだろうけど、目をウルウルと潤ませて、上目使いで俺を見る顔にドキッとさせられる。 理性を保つにはソファで寝た方がいいと堅い決断をしたのに、そんな顔をされたら理性なんて吹っ飛んでしまう。 今は美優を大切にしたい。 でも身も心もすべて俺のモノにしたいと思ってしまう。 さっき好きだと言われたばかりなのに、もっと先へと欲張りになっていく。 ベッドに入り、腕を伸ばすと遠慮気味に頭を乗せ、俺の胸に顔を埋めるとシャンプーの匂いが鼻孔を擽る。 「美優?」 名前を呼ばれて顔を上げた。 「俺のこと名前で呼んで」 「名前?神堂部長のことをですか?」 「この先ずっと俺って部長なの?俺って美優の何?」 言っていいのかな…… 「彼……氏です」 「じゃあ、名前で呼んで」 近い、近すぎ。 今まで仰向けだったのに急に私の方を向くなんて。 絶対心臓の音聞こえてる。
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