4章

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「蓮……さん?」 「さんはいらない」 「そんな無理です」 神堂部長わがままかも。 「蓮……くん?」 「くんもいらない」 「意地悪です」 「俺は美優って呼んでるんだから、ちゃんと呼び捨てにして」 「蓮……」 あ、言ってしまった…… チュッ リップ音を鳴らして、軽いキスをもらったけど、突然だったから目を閉じる暇もなかった。 「あと敬語もやめて」 「でも……急には無理です……んっ」 吸い付くように唇を捕らえられ、息もできないぐらい追い詰める。 「ん……んっ」 朦朧として意識が遠くなっていく私は神堂部長の胸元を押した。 「はあはあはあ」 「ちょっといじめすぎた」 「ひどい」 ジロッと睨むと、熱っぽい眼差しで返され 「好きだよ」 とおでこにキスをされた。 私は高鳴る胸を押さえるのが精一杯だった。
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