4章

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蓮が朝ごはんを作ってくれて、二人で食卓を囲みながら、いろんな話をした。 松田さんとは高校からの親友だということや、この近所に松田さんが住んでることなど、私の知らないことをたくさん教えてくれた。 「はい、ミルクティ」 朝食後、ソファでくつろぐ私に、大好きなミルクティを作ってくれた。 私がミルクティが好きなことを知っていた蓮。 そんな些細なことでも嬉しくて、キュンと胸が痛くなる。 「そうだ。携帯の番号とアドレス教えて」 あ、それ私も聞きたかったんだ。 バックから携帯を漁るとメール受信のランプが点滅していて、見てみると梨花からのメールだった。 『帰ったら必ず報告すること』 そう書かれていたメール。 なんだか恐ろしい。 赤外線通信で蓮の携帯番号とアドレスを受信し、画面に書かれた『神堂 蓮』を見て、思わずニヤケてしまう。 「メールしても……いい?」 遠慮がちに聞くと、 「俺もするから電話もメールもいつでもして」 なんだか胸がポカポカして、ここに存在することが何よりも今は嬉しくて。 何度も蓮のアドレスを眺めていた。
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