5章

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「あの男は美優が思っている以上大切に思ってるよ。だからさ。笑ってなよ」 あ…… 私、ずっと考え込んでて俯いたままで、笑ってなかった。 「ちょっと冷たい視線だっただけなのにね。それだけで落ち込んじゃった」 「フフッ、それだけ好きってことだよ。あ~もう見てられない」 「心配掛けてごめんね」 「美優には幸せになってほしいからさ」 「うん。ありがとう。あ、居酒屋のお金」 「あれね、松田さんが払ってくれたの」 あれ?何、その梨花の反応。 ほんのり赤くなっている頬は何? 「じゃあ、松田さんにお金払えばいい?」 「ううん。いいって言ってたよ」 なんか怪しいな。 「梨花、松田さんとなんかあった?」 あ、動きが止まってる。梨花わかりやすいよ。 「次は梨花の話聞かせてもらおうかな」 「やだ~もう」 やだと言いつつ嬉しそうだよ、梨花。
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