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朝の顔と違う、優しい眼差し。
ギュッ
「……蓮?」
あっという間に私は腕の中にすっぽり包まれて、安堵の息が溢れる。
「触れたかった」
私も……触れたかった。そしてもっと触れてほしいと思う。
「美優に触れてると安心する」
「うん」
「美優の笑った顔が見たい」
あっ
梨花も蓮も気付いていたんだ……
「ごめん……なさい」
梨花が、蓮は私を大切にしていると言った意味がわかる。
蓮は私を大切にそして大事にしてくれている。
「ここは会社だから仕方がないってわかってるのに……それなのに私、んっ」
最後まで言いたいのに蓮は私の唇を塞いだ。
誰か来たらって思うのに私は自分の腕を蓮の背中に回していた。
さっきまでの憂鬱な気持ちが晴れた青空のようにすっきりしていく。
「ん……っ」
だんだん激しくなるキスに力が抜けていく。
「れ……ん……」
名残惜しそうに離れる唇に目眩が起きそう。
「まだしてほしい?」
と、蓮は意地悪っぽく笑い、見る見るうちに自分の顔が赤くなっていくのがわかった。
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