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「今日なんか予定ある?」
今日は梨花と約束していないから真っ直ぐ帰る予定だった。
「何もないです」
「ご飯食べに行こう」
「うん!」
単純だよね。
たったこの一言だけで、私の心は満たされて、さっきまで曇ってた顔が笑顔いっぱいになる。
「ちょっと首見せて」
「首?」
えっ?
私の肩に手を置いて、少し屈んだ蓮は首に顔を近付け、首筋に吸い付く。
チクッと痛いと思ったら
「美優は俺のモノ」
と、首筋をツンツンと突っついた。
「あっ」
キスマーク……
鏡がないから見えないけど、吸われた所が熱を持っている。
「まだ付けて欲しい?」
「……」
恥ずかしくって蓮の顔が見れない。
たぶん……
余裕な顔で口元を上げ、悪戯っぽく笑っている。
やっぱり私だけが余裕なくてドキドキしてばかり。
意地悪な蓮。
優しい蓮。
どれもみんな蓮で、これからもっといろんな顔を見てみたい。
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