5章

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会社の駐車場で待ってて、と言われたけど、誰が見てるかわからないので、会社の少し先にある大型スーパーの駐車場で待ち合わせをすることにした。 蓮に挨拶をして会社を出たから、私が駐車場に向かっていることはわかっている。 会社を出ると涼しい風が吹いていて、会社帰りのサラリーマンの波に紛れ、一人で駐車場へ向かった。 どこだろう? キョロキョロと辺りを見渡し車を探すと、スーツを着た長身の蓮がこっちへ向かって来た。 誰が見ても目を引くその容姿は格好良くて、私には勿体無いぐらい。 「探した?」 「ううん」 「行こう」 そう言って手を差し出され、私は差し出された蓮の掌を握るとギュッと握り返してくれる。 繋いだ手から伝わる温かさは、私の胸を高鳴らせた。 助手席に乗り、シートベルトのカチッという音で蓮はアクセルを踏む。 「どこか行きたいとこある?」 「私はどこでもいいかな」 「じゃ、俺と春樹がよく行く店でいい?」 「うん」 車は私の降りる駅を通り越し、蓮のマンションの近くに来ていた。
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