5章

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顔を真っ赤にしたのは言うまでもなく、蓮はサラッと私に甘い囁きをするけど、それに自覚症状がなくて、心臓が強い私でも流石にいっぱいいっぱいで。 慣れるまでかなり時間がかかりそう。 「何飲む?」 今日はお酒はやめておこう。いつもこういう場所で蓮と出会う時、飲んで酔っ払ってるから。 「ウーロン茶で」 「今日は飲まないの?飲んでいいよ」 「蓮は飲まないの?私、運転できるので飲んで下さい」 「美優って運転免許証もってるの?」 蓮は手を止めて目を見開いた。 「はい」 「俺、まだ死にたくないから今日は飲まない」 「ひどい」 確かにペーパードライバーだけど…… 「今度俺の車で練習しよう。美優が運転できるなら助かるし」 飲みたいの我慢させるのは申し訳ない。蓮が飲んだら私が運転すればいいもんね。 「ぶつけないように練習します」 「ぶつけたら俺泣くね」 蓮が笑っていて、初めてこんなに笑っているのを見たような気がする。 なんだかそれだけで嬉しい。 結局、二人共飲まなくて、2時間ぐらい居酒屋で過ごし、帰ろうと言われて居酒屋を出た。
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