6章

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そっと私をベッドに沈めると、真顔の蓮が私に覆い被さっていた。 顔を背けると、顎を掴まれ真正面に向かされてしまった。 目を合わずにはいられなくて…… 高鳴る胸の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うほど、部屋は音がなく静かで。 私を見つめる視線が絡み合うと、ゆっくり蓮の顔が近付き、鼻の先まで来た時…… 私はそっと目を閉じた。 優しいキスが幾度なく落とされて、音を立てながら、何度も角度を変えていく。 「んんっ」 気付けば自然に蓮の背中に手を伸ばしていて、それを確認したかのように唇が離れ首筋に移動した。 ビクッと反応した体は熱を持ち火照っていく。 「美優の体熱い」 艶っぽい声音が耳元で響いて余計体温が上がる。 「でもちょっと熱すぎる」 と、突然顔を上げた蓮は私のおでこに手を当てた。 体が熱いのは蓮に触れられたからであって、おでこは関係ないような…… 「美優……熱ある」 「熱?」 自分でおでこを触ってみたけど熱があるなんて感じない。 「だるくない?」 「うーん。頬っぺたは熱いけど。これは蓮が……あの……えっと……」 蓮のキスがあまりにもとろけそうだったからなんだよ。
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