6章

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「体温計持ってくる」 そう言って、私の上からいなくなって、蓮の温もりが消えてから寒いと気付いた。 戻ってきた蓮に体温計を渡され、待つこと一分。 ピピッ 私の脇から取り出した体温計を見て蓮は 「38度もある」 「えー、そんなにありますか?」 はあ、と深いため息を付いて蓮は眉を寄せた。 「具合悪かったのか?」 「熱があるなんて気付かなくて……ごめんなさい」 美優を抱き上げた時、こんなに軽いのかと驚いた。 華奢な体とは思っていたけど、まさかここまで細いとは。 抱きたくて泊まらせた訳じゃないけど、美優を目の前にして耐えれるのかと言われたら、それは残酷な話。 美優が嫌がることをしたくない。 頭ではそう思っているつもりだった。 ベッドに寝かせると、パジャマのボタンが一つ外れて、真っ白な肌から胸元が見えていた。 あ、だめだ。 と思った時にはもう美優の口を奪っていた。 抵抗したらやめようと思っていたのに、俺の背中に手を回してきたことで、美優が受け入れてくれたんだと自分で解釈してしまった。 でもキスだけでこんなに体が熱くなるか? 体全身から伝わる熱さ。 まさかと思い、キスを途中で止めておでこを触ると…… やっぱり熱い…… 目がトロンとして潤んでるのはキスのせいじゃなく熱のせいだった。
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