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「蓮……ごめんね」
申し訳なさそうに布団を口まで隠して目だけだして俺を見ている。
そんな体で抱いていたら、俺は絶対後悔していたな。
だから気付けてよかったと思う。
急ぐ必要なんてない。
俺は美優を手放す気なんてまったくないんだから。
せっかくいい雰囲気だったのに、蓮に悪いことしちゃった。
私も覚悟したのにまさか熱があるなんて、蓮が気付かなかったらきっと今頃……
やだ、恥ずかしい。
「大丈夫か?」
「うん」
頭の下に保冷剤を入れてくれて、ひんやりして気持ちいい。熱のせいなのか視界がぼんやりする。
「俺、あっちで寝るか……」
「やだ」
せっかく一緒にいるのに別々で寝るなんてやだ。
蓮に風邪を移しちゃだめとわかっててTシャツを引っ張っていた。
「……一緒にいて」
わがままかな。だって寂しい。
「俺も一緒に寝るから、美優はもう寝て」
「……わがまま言って……ごめん……ね」
完全に無意識なんだろうけど、その目は今の俺には過酷過ぎだ。
だからその潤んだ目が俺を狂わすんだって。
でも、そうやって甘える美優がかわいくて、仕方がない。
「寝るよ」
チュッ
だからこうやってキスしたくなるんだ。
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