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瞬「いや、なんでもないよ」
女子生徒「あ、あの!」
ぐいっと、見を乗り出してくる女の子。
その手はがっしりと瞬や義之を掴んだままだったので、逃げるにも逃げられなかった。
瞬は、答えることにした。
瞬「見えるよ」
女子生徒「うわ~」
満面に広がる笑顔。
そして、満面に広がる俺たちの不安。
女子生徒「あ、あの!」
瞬・義之「「はい」」
まひる「わたし、小鳥遊まひるって言います! 付属の1年生です。小鳥が遊ぶって書いてタカナシに平仮名でまひるです」
びっと姿勢を正して自己紹介するまひる。よかった普通の子だったと思う瞬と義之。
義之「俺は桜井義之。付属の3年」
瞬「俺は橘 瞬。義之と同じ付属の3年だよ」
まひる「ってことは先輩なんですね。先輩って呼んでいいですか?」
義之「あぁ、別に構わないよ」
瞬「先輩じゃあ、かぶるから、俺は名前でいいよ」
義之「俺らはなんて呼べばいい?」
まひる「先輩たちの好きなように呼んでください」
瞬「んじゃあ、小鳥遊さんで」
まひる「まひるでおねがいします!」
びしっとそう言われてしまう。
瞬(今、好きなようにって言ったよな。まぁ、いいけど…)
まひる「あぁ、よかった~。先輩たちに会えて」
義之「良かったって、なにか困ってたとか?」
まひる「はい。もう困りまくりですよ。例えるなら――」
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