丘の上の別荘

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しばらくすると父がキッチンに入ってきた 母も一段落したようで、割烹着の裾で洗った手を拭きながら、テーブルについた 「ほんと、急に連絡入っちゃって、お孫さんが明日から、ここ使うんだって、もう少し、早めに言ってくれれば、こんなに慌てなくていいのに、あっ、あなた手を洗ってからよ」 おにぎりを頬張りながら、愚痴をこぼす母に 「いいじゃないか、大奥様も急なことですまないと言っておられたんだから」 なだめるように手をあらいながら父が言ったが母は、納得いかないようで、つーんと鼻先を斜め上に上げた
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