―プロローグ―

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    「もぉ…そんな事言う…。 俺だって剣道で全国優勝 してんねんからな! 剣道やったら絶対負けへんで!」 「剣道だけ、な?」 「なんやねん その言い方は~!!」 実際コイツが俺より 剣道強いのは認めてるし、 俺より頭悪いのもまた事実。 いつものようにバカ騒ぎ していると、ふと周りの 空気に気付く。 そっと周りを見てみると、 冷たい視線をコチラに向けて うざそうに顔を歪めている。 これもいつもと変わらない 日常と思い、溜め息をついた。 今年になって親衛隊に 入ったけど、 そこは予想以上にきつかった。 毎日懲りずに会長に近づく輩に ストーカーじみた変態の制裁に 会長の身の安全の確保に とにかくなにもかもが 大変だった。 みんな大好きな生徒会長に 親衛隊は邪魔そのもの。 目の敵にされるのが 当たり前だった。 「座ろーぜ 辰巳」 「あ?あぁ…おう…」 冷たい空気に耐えられなく なった俺は、辰巳を引っ張って 一番後ろの窓際にある 自分の席に座った。
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