―プロローグ―

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    「そーいえばさ 明日転校生が来るらしいぜ」 「な、なんやと~~っ!!?」 俺の前の席に座っていた 辰巳が急に大声を上げて 立ち上がる。 もちろん、そんな事したら クラスメイトの視線の的。 「うっさい」 俺はすかさず 五限目の用意をしてた 教科書で辰巳の頭を叩いた。 辰巳は大人しく席に座ったが、 ぐいっと顔を近づけて 何故だか真剣な顔をしている。 「で、その転校生は 理事長の甥っ子だったり せぇへん?」 「おーよくわかったな」 何故かガッツポーズを している辰巳。 「かわいった?!」 「お、おー結構かわいいぜ」 今度は顔を伏せて 机をバンバン叩いている。 …なんなんだ? 「どんなヤツ?!」 「や、まだ会ったこと ねぇからわかんねー…」 「ん~そっかぁ… でも明日会えばわかるよな! ちなみにその転校生が 元総長だったら完璧…フフ腐」 (まーた変な妄想してるな…) お分かりの通り 辰巳は腐男子だ。 親衛隊に入ったのも それが理由。 会長様の側にいれば そういう輩が見れると 思ったらしい。 おかげで毎日 目の保養が出来てるって。
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