―プロローグ―

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  「で、何してたんだ? 窓にへばり付いて」 「え、えーと… 猫がいたから…」 「十六夜ちゃん ネコ大好きだからねー」 別の声のその言葉に 内心ギクリとした。 まあ、なんとか ごまかしたけど。 凜の隣から聞こえた 声の主は木ノ下 劉<キノシタリュウ>。 凜と同じく幼なじみだ。 「どういうことやねん 副隊長さん」 辰巳とは思えない 鋭い声が聞こえて 反射的に振り返る。 「何のこと?」 「とぼけんなや。 制裁の指示を出したんは お前やろ」 一つ言っときます。 相手、先輩です。 「そうだよ? 何か間違ったことした?」 「どの口が言っとんねん。 その制裁した相手が 全治一ヶ月なんやぞ!?」 辰巳のその言葉に 教室内がざわめく。
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